专利摘要:
本発明は、特に水媒体中の金属カチオンの抽出のために適応させた材料であって、少なくとも4個の窒素原子を含む環を有するポリアザシクロアルカン化合物が固体支持体上に共有結合した固体支持体を含み、そして該環の該窒素原子が、配位基で置換されており、それぞれが独立して: 式 −(CH2)n−C(=O)−NR1R2であるか、または、配位かつ結合基RcLが、以下の一般式: −(CH2)p−C(=O)−NR3−(A)−[支持体]、に適合している、材料に関する。 本発明はまた、特に水性媒体中のPb2+カチオンの抽出のための、上記材料の調製法、およびその種々の用途に関する。
公开号:JP2011513047A
申请号:JP2010548147
申请日:2009-02-20
公开日:2011-04-28
发明作者:キュノ,フランソワ;ギラール,ロジェ;ドゥナ,フランク;ビュカイユ,アルノー;ボシェッティ,フレデリック;メイエ,ミシェル
申请人:サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス);
IPC主号:B01J20-26
专利说明:

[0001] 本発明は、金属カチオン、特に液体媒体中に存在する重金属カチオン(特に、鉛、カドミウム、銅、またはニッケルカチオン)の固体/液体抽出の分野に関する。さらに詳しくは本発明は、液体媒体中の金属カチオンの捕捉と、かかる液体媒体からの金属カチオンの抽出とを可能にし、かつ水性媒体からのPb2+カチオンの抽出に特に良く適応するように設計された固体材料(以後、「抽出材料」の一般名で呼ぶ)に関する。本発明はまた、かかる抽出材料を合成する方法に関する。]
[0002] 液体媒体、特に水性媒体からの重金属カチオンの固体/液体抽出は公知の方法であり、しばしば工業的に使用される。一般にかかる固体/液体抽出は、重金属カチオンで汚染された処理すべき液体媒体を、これらの重金属カチオンと錯体形成できる固体に接触させ、これにより、液体媒体中に存在する重金属カチオンの少なくとも一部分が固体により捕捉され、こうして液体媒体の精製を誘導することにより行われる。この種の抽出法は多くの用途があり、特に、飲用前の飲料水の処理、さらには環境に排出する前の排水もしくは工業排出物(水性排出物)の処理がある。]
[0003] 上記種類の多くの抽出法が開発されており、長い間使用されている。この範囲内で、特に、いくつかの金属カチオンに結合できるイオン交換樹脂、例えば、キレート化樹脂Amberlyst IRC718(商標)(Rohm&Haas)(これは、銅や鉄カチオンに対して良好な親和性を与えるイミニジアセテート(iminidiacetate)基を含む)または硫黄含有末端基により修飾されたポリスチレンマトリックスに基づくGT73(商標)樹脂(これ自体は、銅、銀、カドミウム、および鉛を捕集するように適応されている)の使用が記載されている。]
[0004] さらに一般的には、官能化ポリマー、例えばPolyhedron, Vol. 15, pp. 4241−4254 (1996)に記載されたジチオカルバメート基を有するポリマービーズの種類、またはEnergy Fuels, Vol. 12, pp. 792−797 (1998)に開示されている種類のアクリル末端基を有するポリマーに基づく捕集材料の使用が企図される。ある種の天然材料(例えばリグニンまたはキトサン)が、ある種の重金属に結合する性質を有することは知られており、この能力は、この種の材料上の金属イオン封鎖基をグラフト化することにより改良できる。この問題については、特にWater Res., Vol. 33, pp. 2469−2479 (1999) またはBull. Chem. Soc. Jpn, Vol. 70, pp. 2446−2447 (1997)を参照することができる。]
[0005] さらに、無機支持体に基づく抽出材料が提唱されており、特に、例えばChem. Commun. pp. 258−259 (2000), J. Chem. Soc, Dalton Trans., pp. 2206−2209 (2001), Science, Vol. 276, pp. 923−926 (1997)、またはAdv. Mater., Vol.9, pp. 550−503 (1997)に記載された種類の、シリカゲルまたはメソ多孔性シリカ上の固定化リガンドに基づくカチオンの吸収が挙げられる。]
[0006] さらに一般的に、その抽出が求められる金属カチオンを配位、錯体形成、または封鎖させる基による、有機または無機支持体の表面改質に依存する多数の方法が記載されている。本発明においてこのような配位、錯体形成、または封鎖基は、「配位基」という総称で記載される。]
[0007] 特に、公衆衛生と環境への排出の点でますます厳しくなっている法的規制を考慮すると、液体媒体内の重金属カチオン型の金属カチオンの特に効率的で選択的な除去を可能にする固体/液体抽出法に対する真のニーズがある。このような方法は、残存重金属含量および特に鉛含量の規制がますます厳しくなっている、ヒトが飲むための飲料水の処理の分野で特に必要である。]
[0008] 例えばフランスで現在実施されている基準(1998年11月3日のヨーロッパ指令98/83/ECを適用する2001年12月20日の法令2001−1220号で規定)は、飲料水中の鉛の最大許容含量を25μg/l(すなわち25ppb)と規定しており、この閾値は、2013年12月25日から10μg/l(すなわち10ppb)となるであろう。従って飲用される水の処理について、数ppbという低い含量が得られるまで鉛や他の可能性のある重金属を抽出する方法に対するニーズがあり、これは、飲料水中に存在する他の有用な分子種(例えば、アルカリカチオンまたはアルカリ土類カチオン)を同時に抽出することなく行われることが好ましい。重金属の効率的抽出を可能にするこの種の方法はまた、環境中に排出される排出物について残存重金属の許容含量が低くなり続けているため、排水または工業排出物(水性排出物)の処理に関係する。]
[0009] この指令で開発される方法は、国際特許出願WO01/46202号に特に記載されており、これは特に、N−官能化ポリアザシクロアルカンによりグラフト化されるシリカゲル型の支持体を含む水性媒体中のPb2+イオンを抽出するための抽出材料に関する。これらの支持されたN−官能化ポリアザシクロアルカンを使用することにより、市販のイオン交換樹脂を使用して得られるものより大きな精製閾値を達成することができるが、この出願に開示された材料は、最も一般的な意味で、飲料水の処理に必要な種類の広範な精製レベルを得るには不充分である。]
発明が解決しようとする課題

[0010] 本発明の目的は、上記WO01/46202号に開示された材料を用いて得られるものより効率的なPb2+カチオンの除去を可能にする、液体媒体中の金属カチオンの固体/液体抽出に適応した新規の固体抽出材料を提供することである。より一般的には本発明は、飲料水の精製、および環境に排出する前の工業排出物および排水の処理の分野で必要な要求を満たすために、充分な効率で液体媒体から(最も特に水性媒体から)鉛イオンおよび好ましくは他の重金属のイオンを抽出することを可能にする固体抽出物質を提供する目的を有する。]
課題を解決するための手段

[0011] これらの目的を達成するために、第1の態様において本発明は、金属カチオンを抽出するために適応させた材料を提供する。この材料は、少なくとも4個の窒素原子を含む環を有するポリアザシクロアルカン化合物(以後PACと表記する)が固体支持体(以後Sと表記する)上に共有結合した固体支持体(S)を含み、そして該環の該窒素原子のそれぞれが、配位基で置換されており、該配位基のそれぞれが、該支持体(S)に結合しているポリアザシクロアルカン化合物(PAC)の該環の該窒素原子によって、互いに独立して有されている。]
[0012] 以降Rcによって表わされる、配位基が、以下の一般式:
−(CH2)n−C(=O)−NR1R2
(式中、n=1、2または3であり、
R1およびR2は、同一であるか、または異なっており、R1およびR2のそれぞれは、水素原子、または1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基、または1個〜4個の炭素原子を含むアルケニル基、またはアリール基を表わす。)に適合しているか、
または、
以降RcLによって表わされる、配位かつ結合基が、以下の一般式:
−(CH2)p−C(=O)−NR3−(A)−[支持体]、
(式中、p=1、2または3であり、
R3は、水素原子、または1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基、または1個〜4個の炭素原子を含むアルケニル基、またはアリール基(好ましくは、水素原子または1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基)を表わし、
−(A)−は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の炭化水素鎖を表わし、任意選択的に全てまたは部分的に環状であり、そして場合によって1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、該固体支持体(S)に少なくとも1つの共有結合によって結合している。)に適合している。]
[0013] すなわち本発明の抽出材料は、4個またはそれ以上の窒素原子を含むポリアザシクロアルカン化合物(PAC)の共有結合的グラフト化により修飾される固体支持体(S)に基づく材料であり、これらの化合物(PAC)のそれぞれは、その環の窒素原子のそれぞれの上で、上記で規定した配位基(RcまたはRcL)で特異的に置換されている。]
[0014] ポリアザシクロアルカン化合物(PAC)がその上に結合している固体支持体(S)の正確な性質は、大きく変化して、本発明で必要なようにその表面への化合物(PAC)の共有結合的グラフト化を可能にする。一般的に興味深いが体系的ではない実施態様において、固体支持体(S)として、典型的には少なくともその表面に鉱物酸化物を含む固体支持体を使用することができる。]
[0015] 特に興味深い実施態様において、本発明で使用される固体支持体(S)はシリカゲルを含む。本発明の応用に一般に適応される具体的な態様において、使用される支持体(S)はそのようなシリカゲルにより形成される。本発明の支持体(S)として有用なシリカゲルは、Kieselgel型の非晶質シリカゲル、または特にJ. Chem. Soc, Dalton Trans., pp. 1209−1214 (1996)、およびChem. Mater., Vol.13, pp. 3151−3168 (2001)に記載されたMTS型のメソ構造シリカゲルである。]
[0016] 本発明の意味において「ポリアザシクロアルカン化合物」という用語は、ポリアザシクロアルカン環[すなわち、いくつかの基(CH2)が2級もしくは3級アミン官能基で置換されたポリアザシクロアルカン型の飽和基(すなわち、ポリアザシクロアルカン環は、いくつかの窒素原子が介在しているシクロアルカン鎖である。)]を含む有機化合物を示す。]
[0017] 本発明の範囲内で使用されるポリアザシクロアルカン化合物は、体系的に少なくとも4個の窒素原子を含む環を有し、窒素原子のこの数はしばしば12以下であり、さらに好ましくは8未満(典型的には窒素原子のこの数は4、5、または6に等しい。)である。]
[0018] 本発明の抽出材料上に存在するポリアザシクロアルカン化合物(PAC)のポリアザシクロアルカン環は、典型的には4〜12個(しばしば4〜8個、例えば4、5、または6個)の同じかまたは異なる単位の式−N(CH2)n−(ここで、該単位のそれぞれにおいて、nは独立に1〜4の整数、さらに好ましくは2または3に等しい整数を示す。)の環状結合である。]
[0019] 本発明の有利な実施態様において、本発明の抽出材料上に存在するポリアザシクロアルカン化合物(PAC)は、少なくとも部分的に(好ましくは全体的に)テトラアザシクロアルカン化合物、すなわち正確に4個の窒素原子を含む環を有する化合物であり、この環は好ましくは、]
[0020] 以下の式:



に適合している14個の結合を有する1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン環、または 以下の式:



を有する13個の結合を有する1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン環である。]
[0021] その正確な性質が何であっても、本発明の抽出材料上に存在するポリアザシクロアルカン化合物(PAC)のポリアザシクロアルカン環は、その環の窒素原子のそれぞれの上で、上記型のRcまたはRcL基により体系的に官能化されている。これらのRcおよびRcL基のそれぞれ(金属カチオンと錯体形成する能力を有する。)は、本明細書において「配位基」という総称で記載される。ポリアザシクロアルカン化合物(PAC)の環の窒素原子のそれぞれにおける配位性を有するそのような基の存在は、本発明の範囲内でそのために開発され、かつ本明細書で後述される特異的な調製法により可能になった本発明の材料の特異性である。]
[0022] 本発明の範囲内で本発明者らにより行われた研究により、ポリアザシクロアルカン環の窒素原子のそれぞれの上の配位基の体系的存在は、本発明の材料に、いくつかの金属カチオン(特に、重いカチオン、例えばPb2+、Cd2+、Cu2+、Zn2+、またはNi2+)に対して非常に高い抽出効率を与えることが証明された。本発明の材料は、異なる液体媒体、特に水性媒体中のこれらのカチオンを、静止モードかつ動的モードで、単離または除去するのに特に適応している。]
[0023] 特に本発明の材料は、飲料水の処理に特に適応している。これは、Pb2+カチオンの非常に効率的な除去を可能にし、これは、飲料水の分野で必要な精製レベルに容易に達成するのに適している。さらに詳しくは本発明者らの研究は、本発明の材料が、特に困難もなく、鉛の残存含量10μg/l未満を最終的に得ることにより、鉛に汚染された水性媒体の極めて効率的な汚染除去を可能にすることを確実にする可能性を与え、かつこれはアルカリカチオンおよびアルカリ土類カチオンを同時に保持しない利点を有する。このような性能レベルはさらに動的モードを含めて、供給されている飲料水の家庭の水道蛇口の上流側または下流側に置いただけの飲料水用の精製カートリッジに、本発明の抽出材料を効率的に使用する可能性を開く。すなわち、例えば本発明者らの研究は、配管で送られる飲料水についてPb2+カチオンの濃度を10ppbまたはそれ以下のオーダーの残存含量まで低下させるのに、本発明の抽出材料が効率的に使用でき、これが水道供給蛇口に置かれた適切な精製カートリッジ(例えば、特許JP02301469号に記載された型のカートリッジ)を用いるだけで行われることを証明した。]
[0024] 理論に拘束されるつもりはないが、本発明者らによる研究は、本発明の範囲内で得られる優れた抽出能力が、支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物が、金属カチオンが液体媒体内で遊離状態の場合に有するものと実質的に同様の、金属カチオンと錯体形成する能力を有するという事実によるものであることを示す可能性を与える。実際、環の窒素原子のそれぞれの配位基の特異的存在を考慮すると、支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物は、液体媒体内で遊離状態で存在する同じ化合物とほぼ同じように、適切なサイズのカチオンを効率的にキレート化できる「分子のはさみ」のように挙動するようである。]
[0025] すなわち本発明の抽出材料は、固体支持体上の共有結合的グラフト化のために、その錯体形成効率を喪失していないポリアザシクロアルカン型の錯化剤の固定化形態であると説明することもできる。こうして本発明の材料は、体系的に共有結合的グラフト化がポリアザシクロアルカン環の窒素原子の少なくとも1つの固定化を必要とし、従って最終的に少なくとも1つの配位基もなく存在し、こうしてポリアザシクロアルカン基の窒素原子が有する配位基により確実にされる「分子のはさみ」の効率が低下する、上記出願WO01/46202号に記載された支持体上に固定化されたポリアザシクロアルカン化合物と比較して、大きな進歩であることに注目されたい。]
[0026] 特に本発明の材料について金属カチオンと錯体形成する最大効率を得るために、配位基が金属カチオンを固定化できる分子のはさみの役割を確実にできる遊離状態に留まっている、ポリアザシクロアルカン化合物を選択することが好ましいことがわかる。このために、支持体(S)上に再度固定化されて存在するポリアザシクロアルカン化合物の配位基の数は、多すぎると環の硬化を引き起こして、カチオンの錯体形成効率に有害となる可能性があるため、この数を制限することが一般的に好ましい。]
[0027] 一般に、ポリアザシクロアルカン化合物(PAC)の環の窒素原子が有する配位基が、できるだけ少ない数の上記式−(CH2)p−(=O)−NR3−(A)−[支持体]に適合しているRcL基(配位かつ結合基)を含むことが好ましいことがわかる。特に興味深い実施態様において、ポリアザシクロアルカン化合物(PAC)の環の窒素原子により形成される配位基は、多くてもこの型の1個の配位かつ結合基RcLを含む。]
[0028] 第1の興味深い態様において、本発明の抽出材料は、支持体に結合した配位基の無い固体支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物(PAC)、すなわちRcL基を除く配位基Rcのみを有するポリアザシクロアルカン化合物を有利に含む。]
[0029] 本発明の第1の態様において、抽出材料は好ましくは、以下の式(I):



(式中、a、bおよびcは、3つの整数であり、同一であるか異なるかのいずれかであり、a、bおよびcのそれぞれは、2または3に等しく、
d1およびd2は、2つの整数であり、同一であるか異なるかのいずれかであり、0、1または2に等しく、該合計(d1+d2)は、値1または2を有するものと理解され、
該4つのRc基のそれぞれは、同一であるか異なるかのいずれかであり(ほとんどの場合同一である)、上記で規定された一般式:
−(CH2)n−C(=O)−NR1R2
に適合している基を表わし、
−(B)−は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の炭化水素鎖であり、任意選択的にすべてまたは部分的に環状であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、該固体支持体(S)に少なくとも1つの共有結合で結合している。)
に適合している、該固体支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物(PAC)を含む。]
[0030] 本発明の第1の態様において、固体支持体(S)上で固定化されたすべてのポリアザシクロアルカン化合物(PAC)は上記式(I)に適合していることがしばしば有利である。]
[0031] 本発明の第1の態様の応用に特に適応したポリアザシクロアルカン化合物は、上記の式(I)に適応している化合物である。さらに式(I)の化合物において、b=3かつ(d1+d2)=2であること、およびa=c=2(b=2かつ(d1+d2)=2である場合と、b=3かつ(d1+d2)=1である場合、特にa=c=2である場合が考えられるが、これらはあまり重要ではない)である場合がしばしば興味深い。]
[0032] 一般に抽出材料として特に適している本発明の第1の態様の抽出材料は、以下の式(Ia)(好ましくは、他のポリアザシクロアルカン化合物を含まない):



(式中、a、b、c、d1、d2、およびRc基は、上記式(I)に規定されたようであり、
−Y−は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の二価の炭化水素基であり、任意選択的にすべてまたは部分的に環状であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、
jは、0、1、2または3に等しい整数であり、そして、
該環状種と該固体支持体(S)との間の結合の数を表わすkは、1、2または3に等しい整数である。)に適合している、該固体支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物を含む。]
[0033] 本発明の第1の態様の特定の態様において、固体支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物(PAC)は、以下の式:



(式中、kは、上記で規定されたようである。)
の1つに適合している。]
[0034] 第2の興味深い態様において、上記態様以外に、本発明の抽出材料は、上記型の配位かつ結合基RcLの両方により確実になる結合を通して、固体支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物(PAC)を含んでよい。この具体的なシナリオにおいて、こうして固定化されたポリアザシクロアルカン化合物のそれぞれは1つのRcL基のみを含み、他の配位基のすべては非配位基Rcであることが、しばしば好ましい。]
[0035] 本発明のこの第2の態様において、本発明の抽出材料は好ましくは、以下の式(II):



(式中、a、b、cおよびdは、3つの整数であり、同じであるか異なっているかのいずれかであり、a、b、cおよびdのそれぞれは、2または3に等しく、
該3つのRc基のそれぞれは、同じであるか異なっているかのいずれかであり、上記に規定された一般式:
−(CH2)n−C(=O)−NR1R2
に適合した基を表わし、そして、
p、R3および−(A)−は、上記で規定されたようである。)
に適合した、該固体支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物を含む。]
[0036] 本発明の第2の態様の範囲内で、固体支持体(S)上で固定化されたすべてのポリアザシクロアルカン化合物(PAC)は、上記式(II)に適合していることがしばしば有利である。]
[0037] 本発明の第2の態様に応用するのに充分に適応したポリアザシクロアルカン化合物は、a=c=2である上記の式(II)に適合している化合物である。さらに式(II)の化合物において、b=d=3であること、およびa=c=2(b=3でかつd=2である場合と、b=2でかつd=3である場合、特にa=c=2である場合が考えられるが、これらはあまり重要ではない)である場合がしばしば好ましい。]
[0038] 抽出材料として一般的に充分に適応した本発明の第2の態様の抽出材料は、以下の式(IIa):



(式中、a、b、c、d、pならびに該基RcおよびR3は、上記式(II)で規定されたようであり、
zは、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の二価の炭化水素基であり、任意選択的にすべてまたは部分的に環状(例えば、アリール基として)であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含む(zは、例えば、1〜8個の炭素原子、例えば2、3、4または5個の炭素原子を含む二価アルキレン基でもよい)。特定の態様において、zはカルボニル基(例えば尿素基に含まれる)を含むことができる。
j’は、0、1、2または3に等しい整数であり、
該環状種と該固体支持体(S)との間の結合の数を表わすk’は、1、2または3に等しい整数である。)に適合している、固体支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物(PAC)を含む。]
[0039] 本発明の第2の態様の特定の態様において、固体支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物(PAC)は、以下の式:



(式中、k’は、請求項12において規定されたようである。)の1つに適合している。]
[0040] 特定の態様において本発明の目的は、上記の抽出材料を得る方法を提供することである。本発明の材料を調製するためのこの方法は、以下のステップ:]
[0041] (E1)固体支持体が、化学的に共有結合をするために、相補的官能基Fc官能基と反応できるFs官能基を、該表面に含んで提供される工程と、
(E2)該タイプのFc官能基を有する官能化されたポリアザシクロアルカン化合物(PACf)が、該ポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)の該環の該窒素原子のそれぞれの上に配位官能基を(1工程または数工程で)結合させることによって、少なくとも4個の窒素原子を含む環を有するポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)から調製される工程と、]
[0042] ここで該環の該窒素原子に結合した該配位官能基のそれぞれは、ほかの官能基と独立しており、
配位基Rcは、
以下の一般式:
−(CH2)n−C(=O)−NR1R2
(式中、n、R1およびR2は、上記で規定されたようである。)
に適合しているか、または、
該配位かつ反応基Rcrは、以下の一般式:
−(CH2)p−C(=O)−NR3−(P)−G1
(式中、pおよびR3は、上記で規定されたようであり、
−(P)−は、化学的結合を表わすか、または飽和もしくは不飽和の、直鎖もしくは分枝の炭化水素鎖を表わし、任意選択的にすべてまたは部分的に環状(例えばアリール基として)であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、該固体支持体(S)に少なくとも1つの共有結合を通して結合しており、そして、
−G1−は、該ポリアザシクロアルカン(PACf)の間で共有結合を生成するために、ステップ(E1)で提供された該固体支持体によって有される該Fs官能基と反応することができるFc官能基を有する官能基である。)に適合しており、そして]
[0043] 該環の該窒素原子に結合した該官能基のいずれもがRcr基でない場合、次に、該ポリアザシクロアルカン(PACf)は、一般式:
−(Q)−G2、
(式中、−(Q)−は、化学的結合を表わすか、または飽和もしくは不飽和の、直鎖もしくは分枝の、炭化水素鎖を表わし、任意選択的にすべてまたは部分的に環状(例えば、アリール基として)であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、該固体支持体(S)に少なくとも1つの共有結合を通して結合しており、
−G2は、該ポリアザシクロアルカン(PACf)の間で共有結合を生成させるために、ステップ(E1)で提供された該固体支持体によって有される該Fs官能基と反応できるFc官能基を有する官能基である。)
の反応基Rrによって、該環の該炭素原子の1つの上でさらに官能化されると理解され、そして、]
[0044] (E3)ステップ(E2)で得られた該官能化されたポリアザシクロアルカン(PACf)が、ステップ(E1)で提供された該固体支持体と接触させられる工程と、
を含む。]
[0045] 上記ステップ(E1)、(E2)および(E3)を適用する本発明の方法は、ステップ(E1)で提供される固体支持体によって有されるFs官能基およびステップ(E2)で調製される官能化ポリアザシクロアルカン(PACf)によって有される相補的Fc官能基(これらのFc官能基は、ステップ(E2)で導入されるRcr基またはRc基によって有される。)との反応を特異的に適用する。]
[0046] 支持体によって有されるFs官能基は、該支持体に固有の官能基(例えば、支持体がシリカゲルのような鉱物酸化物である時−OH官能基)であるか、または該支持体上にグラフト化される官能基(例えば−Cl型または−NH2型の官能基)であり、ステップ(E1)は、支持体をFs基で官能化する予備工程を含む。]
[0047] 特に限定するものではないが、ステップ(E1)で提供された固体支持体によって有されるFs官能基およびステップ(E2)で得られた官能化ポリアザシクロアルカン化合物(PACf)によって有されるFc官能基は、例えば以下の一対のFs/Fc官能基:
Fs=−OH/Fc=−Si(OR)3(式中、Rは1〜4個の炭素原子(典型的には1または2個)を含むアルキル基である。)、
Fs=−X/Fc=−NH2(式中、Xはハロゲン原子(好ましくはCl)である。)、
Fs=−Si−H/Fc=−CH2−CH=CH2、
Fs=−Si−H/Fc=−Ph−CH=CH2(式中、Phは、置換されているかまたは置換されていない芳香環、例えば置換されているかまたは置換されていないベンゼン環、を表わす。)から選択される。]
[0048] 本発明の方法の重要な特異性は、ポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)の環の窒素原子のそれぞれに配位官能基を結合させることにより、ポリアザシクロアルカン化合物(PACf)が官能化されるように、ステップ(E2)が行われることである。これは、上記型のRcまたはRcr基を用いてポリアザシクロアルカン環の窒素原子のそれぞれを官能化することにより、ステップ(E2)で確保される。]
[0049] 一般に、Rcr型のできるだけ少ない配位基と反応性官能基を結合させることによりステップ(E2)を行うことが好ましく、ここでポリアザシクロアルカンは、本明細書で上記に記載したように、少ない数のRcL型の配位基と結合基を有する。すなわち本発明の好適な実施態様において、ステップ(E2)で結合される配位官能基の多くても1個が、上記Rcr型の配位かつ反応基であることが好ましく、ここで、合成される物質中のポリアザシクロアルカン化合物(PAC)の環の窒素原子が有する配位基は、最大限で1つの配位かつ結合基RcLを含む。]
[0050] 一般に、ステップ(E2)において配位基または配位基で反応基のRcrが、ポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)の環の1個の窒素原子上に結合される時、この基は一回のまたは数回の工程でグラフト化される。さらにあらかじめグラフト化されるRc型の基を修飾することにより、Rcr基が得られる。すなわち特定の態様において本発明の方法のステップ(E2)は典型的には、ポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)の環の窒素原子のそれぞれの上に配位基Rcをグラフト化(一回または数回の工程で)し、次にこうして得られたポリアザシクロアルカン化合物の環の窒素原子のそれぞれにFc官能基を導入することにより行われ、この導入は、環上にRc基をグラフト化するか、および/または1つまたはそれ以上のRc基をRcr基に転化させることにより行われる(Rc基のRcr基へのこの転化は、Fc官能基を用いてRc基を官能化することにより行われる)。]
[0051] 本発明の第1の態様の抽出材料を調製するために適応される特定の態様において、ポリアザシクロアルカン化合物(PAC)はRcL基を含まず、ステップ(E2)は例えば以下のように行われる:
上記で規定された配位基Rcが、該ポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)の該環の該窒素原子のそれぞれに結合(一回またはそれ以上の工程で)しており、そして、
該ポリアザシクロアルカン(PACf)が、上記で規定された式−(Q)−G2の反応基Rrを用いて該環の該炭素原子の1つの上でさらに官能化されている。]
[0052] 本発明の方法が、本発明の第1の態様の式(I)のポリアザシクロアルカンを有する抽出材料を提供することを目的とする時、ステップ(E2)で調製された該ポリアザシクロアルカン化合物(PACf)は、以下の一般式(If):



(式中、a、b、c、d1、d2およびRcは、式(I)について上記で規定されたようであり、そして
Rrは、上記で規定された一般式:−(Q)−G2の反応基である。)
に有利に適合している。]
[0053] 本発明の第1の態様の式(Ia)のポリアザシクロアルカンを有する抽出材料が得られる第1の特定の態様において、本発明の方法は以下のように行われる:
ステップ(E1)で提供された固体支持体は、表面にFs官能基として−OH官能基を含むシリカゲルであり、そして、
ステップ(E2)で調製された化合物(PACf)は、Fc官能基としてトリアルコキシシラン官能基−Si(OR)3を有する化合物であり、以下の一般式(If−a1):



(式中、a、b、c、d1、d2、Rc、−Y−およびjは、式(Ia)について上記に規定されたようであり、そして、
Rは、1個〜4個(典型的には1個または2個)の炭素原子を含むアルキル基である。)に適合している。]
[0054] 第1の特定の態様において好ましくは、ステップ(E2)で調製された化合物(PACf)は、以下の式(If−a1.1):



(式中、a、b、c、d1、d2、Rc、jおよびRは、式(Ia)について上記で規定されたようであり、そして、
qは、1、2、3または4の値を有する整数であり、
該化合物(If−a1.1)は、以下のステップ



を続けて適用することによって、ステップ(E2)で得られる。)に適合している。]
[0055] 本発明の第1の態様の式(Ia)のポリアザシクロアルカンを有する抽出材料が得られる第2の特定の態様において、本発明の方法は以下のように行われる:
ステップ(E1)で提供された固体支持体は、表面にFs官能基としての官能基−X(式中、Xは、ハロゲン原子(好ましくはClである)を含む改質されたシリカゲルであり、この改質されたシリカゲルは、式:X−(CH2)j−Si(OR)3(式中、jは、式(Ia)について上記で規定されたようであり、そしてRは、1個〜4個(典型的には1個または2個)の炭素原子を含むアルキル基である。)のトリアルコキシシランをグラフト化することによって得られる。)を含む改質されたシリカゲルであり、そして、
ステップ(E2)で調製された化合物(PACf)は、Fc官能基として−NH2官能基を有し、以下の一般式(If−a2):



(式中、a、b、c、d1、d2、およびRcは、式(Ia)について上記で規定されたようであり、そして、
−Y1−は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の二価の炭化水素基であり、任意選択的にすべてまたは部分的に環状であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含む。)に適合している。]
[0056] 好ましくはこの第2の特定の態様において、ステップ(E2)で調製された化合物(PACf)は、以下の式(If−a2.1):



(式中、a、b、c、d1、d2およびRcは、式(Ia)について上記で規定されたようであり、そして、
rは、1、2、3または4の値を有する整数であり、
該化合物(If−a2.1)は、以下のステップ



(式中、Alkは、1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基である。)を続けて適用することによって、ステップ(E2)で得られる。)に適合している。]
[0057] ポリアザシクロアルカン化合物(PAC)が単一のRcL基を含む本発明の第2の態様の抽出材料を調製するために適応される特定の態様において、ステップ(E2)は以下のように行われる:
反応性配位基Rcrは、一回または数回の工程で、ポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)の環の該窒素原子の1つに結合しており、そして、
その前にまたはその後に、
配位基Rcは、ポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)の環のほかの窒素原子のそれぞれの上に、一回または数回の工程で、上記で規定されたように結合している。]
[0058] 本発明の方法が、本発明の第2の態様の式(II)のポリアザシクロアルカンを有する抽出材料を提供することを目的とする場合、ステップ(E2)で調製されるポリアザシクロアルカン化合物(PACf)は、以下の一般式(IIf)



(式中、a、b、c、dおよびRcは、式(II)について上記で規定されたようであり、そして、
Rcrは、上記で規定された一般式:−(CH2)p−C(=O)−NR3−(P)−G1に適合した、配位かつ反応基である。)に適合している。]
[0059] 本発明の第2の態様の式(IIa)のポリアザシクロアルカンを有する抽出材料が調製される第1の特定の態様において、本発明の方法は以下のように行われる:
ステップ(E1)で提供された固体支持体は、表面にFs官能基としてのOH官能基を含むシリカゲルであり、そして、
ステップ(E2)で調製された化合物(PACf)は、Fc官能基として、トリアルコキシシラン官能基−Si(OR)3を有する化合物であり、以下の一般式(IIf−a1):



(式中、a、b、c、d、p、Rc、R3、zおよびj’は、式(IIa)について上記で規定されたようであり、そして、
Rは、1個〜4個(典型的には1個または2個)の炭素原子を含むアルキル基である。)に適合している。]
[0060] 第1の特定の態様において、ステップ(E2)において、式(lIf−a1)の上記化合物(PACf)の調製は、以下の反応スキーム:



(式中、Xは、ハロゲン原子、好ましくはClである。)
または、



(式中、p’=1、2または3である。)のいずれか1つを適用する。]
[0061] 本発明の第2の態様の式(IIa)のポリアザシクロアルカンを有する抽出材料が得られる第2の特定の態様において、本発明の方法は以下のように行われる:
ステップ(E1)で提供された固体支持体は、表面にFs官能基としてのX官能基(式中、Xは、ハロゲン原子(好ましくはCl)である。)を含む改質されたシリカゲルであり、この改質されたシリカゲルは、式X−(CH2)j’−Si(OR)3(式中、j’は、式(IIa)について上記で規定されたようであり、そしてRは、1個〜4個(典型的には1個または2個)の炭素原子を含むアルキル基である。)のトリアルコキシシランをグラフト化することによって得られ、そして、
ステップ(E2)で調製された化合物(PACf)は、Fc官能基として−NH2官能基を有する化合物であり、以下の一般式(IIf−a2):



(式中、a、b、c、d、p、RcおよびR3は、式(IIa)について上記で規定したものであり、そして、
z’は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の、二価の炭化水素基であり、任意選択的にすべてまたは部分的に環状(例えばアリール)であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、z’は、典型的には1個〜8個の炭素原子(例えば、2、3、4または5個の炭素原子)を有する二価アルキレン基である。)に適合している。特定の態様において、z’はカルボニル基(例えば尿素官能基に含まれるもの)を含む。]
[0062] 好ましくはこの特定の態様において、ステップ(E2)において、式(IIf−a2)の化合物(PACf)の調製は、以下のステップ:



(式中、Alkは、1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基である。)を続けて適用する。]
[0063] 本発明の第2の態様の式(IIa)のポリアザシクロアルカンを有する抽出材料が得られる第3の特定の態様において、本発明の方法は以下のように行われる:
ステップ(E1)で提供された固体支持体は、表面に−Si−H官能基を含む改質されたシリカゲルであり、この改質されたシリカゲルは、式:H−Si(OR)3(式中、Rは、1個〜4個(典型的には1個または2個)の炭素原子を含むアルキル基である。)のトリアルコキシシランをグラフト化することによって得られ、そして、
ステップ(E2)で調製された化合物(PACf)は、Fc官能基として−CH=CH2官能基を有する化合物であり、以下の一般式(IIf−a3):



(式中、a、b、c、d、p、Rc、およびR3は、式(II)について上記で規定されたようであり、そして
−z’−は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の、二価の炭化水素基であり、任意選択的にすべてまたは部分的に環状であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、z’は、典型的には1個〜8個の炭素原子(例えば、2、3、4または5個の炭素原子)を有する二価アルキレン基である。)に適合している。特定の態様において、z’はカルボニル基(例えば尿素官能基に含まれるもの)を含む。]
[0064] この特定の態様において好ましくは、ステップ(E2)において、式(IIf−a3)の化合物(PACf)の調製は、以下の式:



の化合物に、式−(CH2)p−(C=O)−NR3−z’−CH=CH2の3個の上記のいずれかの同じかまたは異なるRc基を用いて官能化を適用する。企図される実施態様において、まず上記4環状化合物の炭素原子の3個が3個のRc基で(一回または数回の工程で)官能化され、次に最後の窒素原子が−(CH2)p−(C=O)−NR3−z’−CH=CH2基により官能化される。あるいは逆に、4環状化合物の窒素原子の1個が−(CH2)p−(C=O)−NR3−z’−CH=CH2基により官能化され、次に環の3個の窒素原子が3個のRc基で(一回または数回の工程で)官能化される。]
[0065] 別の特定の態様において本発明の目的は、本発明の材料の使用である。]
[0066] 一般に、本発明の材料は、液体媒体、とりわけ水性媒体中に溶解された、金属イオン、とりわけPb2+、Cd2+、Cu2+、Zn2+、Ni2+カチオンを捕集するのに有用である。]
[0067] 本発明の範囲内で、本発明の材料は典型的には、金属カチオンで汚染された液体媒体(特に水性媒体)を精製するための方法において適用され、ここで、処理される媒体は本発明の材料と接触させられる。静止モードまたは動的モードで適用されるこれらの方法は、具体的な態様において、本発明の別の目的である。]
[0068] 本発明の抽出材料を応用する精製法は、精製処理に曝される液体媒体(特に水性媒体)が当初Pb2+カチオンで汚染されている場合、特に興味深い。本明細書で上記したように、この範囲内で抽出材料を応用することにより、精製法が動的モードで行われる場合を含めて、典型的には残存鉛含量10ppb未満の、処理媒体中の非常に低い鉛含量を容易に達成することができる。]
[0069] 本発明の精製法は、例えば、家庭用飲料水の水道蛇口の上流または下流に置いた精製カートリッジに本発明の抽出材料を使用することにより、飲料水を精製するための処理に有利に応用できる。
本発明の精製法はまた、工業液体排出物(特に水性排出物)または排水を処理するための興味深い用途がある。]
[0070] 本発明の異なる態様や利点は、以下の例を参照することによりさらに明らかになるであろう。]
[0071] 例1:材料Si2323TAMの調製
(シリカゲル上のシラン基を有する大環状前駆体の直接縮合)
本例では、本明細書で上記した式の材料Si2323TAMを、以下の反応スキームに従って調製した:]
[0072] さらに詳しくは以下の方法を適用した:
化合物1.1(TE3AM・HI)の調製
この化合物は、Tetrahedron Lett., Vol. 40, pp. 381−382 (1999)に記載の操作法に従って得られる。]
[0073] 化合物1.2(N−プロピルトリエトキシシリル−2−クロロアセトアミド)の調製
窒素雰囲気下で75g(540mmol)の炭酸カリウムと21.5mL(270mmol)の塩化クロロアセチルを、200mLのテトラヒドロフランに導入した。この混合物を0℃に冷却した。
冷却した混合物に、等圧滴下ロートを使用して15分以内に、30mLのテトラヒドロフランに溶解した60g(270mmol)アミノプロピルトリエトキシシランを加えた。室温で18時間攪拌を維持し、次に反応媒体をセライト上でろ過した。
ろ液中に含有される溶媒を真空下で除去後、46.4gの化合物1.2を以下のNMR特性を有する淡黄色の油状物(収率=57%)として得た:]
[0074] 1H NMR(200MHz, CDCl3): 0.60 (t, 2H, 3J = 7.4 Hz, CH2Si); 1.20 (t, 9H, 3J = 6.0 Hz, OCH2CH3); 1.65 (p, 2H, 3J = 7.4 Hz, CONHCH2CH2); 3.25 (q, 2H, 3J = 7.4 Hz, CONHCH2); 3.80 (q, 6H, 3J = 6.0 Hz, OCH2CH3); 4.00 (s, 2H, ClCH2); 6.77+8.25 (m, 1H, CONH cis + trans)。
13C NMR (50 MHz, CDCl3): 7.9 (CH2Si); 18.6 (OCH2CH3); 23.0 (NHCH2CH2); 42.3 (NHCH2); 42.9 (CICH2); 58.7 (OCH2CH3); 166.2 (CO)。]
[0075] 前駆体1.3の調製
窒素雰囲気下で、39.5g(79mmol)のTE3AM・HI(化合物1.1)、23.5g(79mmol)の化合物1.2、および27.4g(200mmol)の炭酸カリウムを、新たに蒸留したアセトニトリル800mLと混合した。得られた懸濁物を溶媒を用いて44時間還流した。次に溶媒を留去した。得られた化合物を1リットルのクロロホルムで可溶化し、固体残渣をろ過して除去した。
溶媒を留去後、31gの化合物1.3を以下のNMR特性を有する黄色の固体(収率=62%)として単離した:]
[0076] 1H NMR(500MHz,DMSO−d6): 0.62 (m, 2H, CH2Si); 1.23 (t, 9H, 3J = 6.0 Hz, OCH2CH3); 1.59−1.68 (m, 4H, CH2CH2CH2); 1.96 (m, 2H, CH2CH2Si); 2.64 (m, 16H, CH2N); 3.06 (m, 8H, CH2 CO); 3.24 (m, 2H, CONHCH2); 3.82 (q, 6H, 3J = 6.0 Hz, OCH2CH3); 7.03 (m, 6H, CONH2)。
13C NMR (125 MHz, DMSO−d6): 8.5 (CH2Si); 19.1 (OCH2CH3); 24.8 (CH2CH2CH2); 25.9 (CH2CH2CH2); 55.4 (CH2N); 58.6 (OCH2CH3); 171.5 (CO); 175.8 (CO)。
質量スペクトル(MALDI−TOF):m/z: 632.5s [L]+。]
[0077] シリカゲルへの前駆体1.3のグラフト化
27.7g(すなわち44mmol)の前駆体1.3を、共沸蒸留により脱水した60gのシリカ(Merckにより販売されるKieselgel 60;粒径画分=0.25〜0.40mm;比表面積=550m2g−1)と接触させて、グラフト化を行う。窒素雰囲気下で1.25リットルの新たに蒸留したトルエン中で操作を行い、110℃に加熱し、40時間機械的攪拌を行う。
得られた改質ゲルをろ過により室温で回収し、エタノール、エーテルで洗浄し、次に真空下で乾燥し、ふるいにかける。こうして、以下の特性を有する64.4gの改質シリカゲルSi2323TAMを得る:。]
[0078] RPE(銅金属ゲル、T=100K):g┴ = 2.10; g// = 2.23; all = 147x 10 cm−1。
IR(拡散反射、KBr、cm−1):3305 (vNH); 2946 (vCH); 2820 (vCH); 1673 (vCO); 1092 (vSiO); 795 (δOSiO)。
窒素元素の元素分析:0.32mmol g−1(%N:3.57%)。
銅のX蛍光:0.24mmol g−1。
吸着された窒素の総量:0.46cm3 g−1。
孔の平均径(BJH):40Å(分布20〜110Å)。]
[0079] 例2:材料Si2223TAMMe2の調製
(シリカゲル上のシラン基を有する大環状前駆体の直接縮合)
本例では、本明細書で上記した式の材料Si2323TAMMe2を、以下の反応スキームに従って調製した:]
[0080] さらに詳しくは以下の方法を適用した:
化合物2.1の調製
その調製が国際特許出願WO03/029228号に記載されたテトラアミン1,4,7,10−テトラアザシクロトリデク−5−イル−メタノールで出発して、前駆体2.1を得た。
500mLのアセトニトリル中の7.70g(35.60mmol)のテトラアミン1,4,7,10−テトラアザシクロトリデク−5−イル−メタノールと39.36g(284.80mmol)炭酸カリウムを含有する溶液を還流後、21.66g(176.20mmol)の2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドを一回で加える。次にこの混合物を攪拌しながら、5日間還流すた。
セライトでろ過し、真空下で溶媒を留去後、残存する赤色の油状物を得、これをアルミナカラムのクロマトグラフィーにより精製した(溶離液:ジクロロメタン/メタノール 98:2v/v)。
次に5.5gの化合物2.1を、以下の特性を有する黄色の油状物(収率=28%)として得た:]
[0081] 1H NMR(500MHz, CDCl3): 1.56 (m, 2H); 2.39 (m, 1H); 2.45−3.10 (m, 14H); 2.85 (s, 3H); 2.87 (s, 9H); 2.93 (s, 3H); 2.97 (s, 3H); 3.01 (s, 3H); 3.02 (s, 3H); 3.15−3.6 (m, 11 H)。
13C NMR (125 MHz, CDCl3): 24.2 (CH2CH2CH2); 35.8 (3C,NCH3); 36.1 (NCH3); 36.8 (NCH3); 37.1 (NCH3); 37.4 (2C, NCH3); 50.8 (2C, NCH2); 50.9 (NCH2); 51.5 (NCH2); 52.1 (2C, NCH2); 54.7(NCH2); 54.8 (NCH2); 57.4 (2C, CH2CO); 58.0 (CH2CO); 60.2 (CH2CO); 62.5 (CH2OH); 170.9 (CO); 171.0 (CO); 171.1 (CO); 172.8 (CO)。
質量スペクトル(MALDI−TOF) m/z: 557.7 [L]+●。]
[0082] 化合物2.3の調製
3mLのトリエチルアミンの存在下で100mLのジクロロメタンに溶解した7.40g(13.29mmol)の化合物2.1の溶液に、3.90g(すなわち13.29mmol)の化合物2.2(Aldrichにより販売されている3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、純度>95%)を加えた。
混合物を室温で12時間攪拌した。赤外線分光法による分析は、反応の進行を追跡し、2272cm−1でN=C=O官能基の特性バンドの消失を見つける可能性を与える。
反応の最後に、真空下で溶媒を留去し、こうして化合物2.3の橙色の油状物としての単離を可能にし、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。]
[0083] シリカゲル上の前駆体2.3のグラフト化
前工程で得られた化合物2.3全体(橙色の油状物)を、共沸蒸留により脱水した31.00gのシリカ(Kieselgel 60−Merck;粒径画分=0.25〜0.40mm;比表面積=550m2g−1)と接触させることにより、グラフト化を行った。250mLの蒸留キシレン中で反応を行い、これを還流し、アルゴン雰囲気下で72時間機械攪拌した。
改質ゲルを室温でろ過して回収し、水、エタノール、およびクロロホルムで洗浄し、次に真空下で乾燥させ、ふるいにかけた。
こうして、以下の特性を有する34.90gの改質シリカゲルSi2223CTAMMe2を得た:
窒素元素の元素分析:0.22mmol g−1(%N:2.46%)。
銅のX蛍光:0.15mmol g−1。]
[0084] 例3:材料Si2323UENTAMの調製
(シリカゲル上のシラン基を有する大環状前駆体の直接縮合)
本例では、本明細書で上記した式の材料Si2323UENTAMを、以下の反応スキームに従って調製した:]
[0085] さらに詳しくは以下の方法を適用した:
化合物3.1の調製
本化合物は、以後の実施例4の化合物4.2について記載した方法に従って調製した。]
[0086] 前駆体3.3の調製
40mLの新たに蒸留した無水エタノールに溶解した2.96g(6.3mmol)の化合物3.1の溶液に、1.64mL(6.3mmol)の化合物3.2(Aldrichにより販売されている3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、純度>95%)を加えた。混合物を加熱し、エタノールで24時間還流した。赤外線分光法による分析は、反応の進行を追跡し、2272cm−1でN=C=O官能基の特性バンドの消失を見つける可能性を与えた。真空下で溶媒を留去し、得られた化合物3.3を次の工程で使用した。]
[0087] シリカゲル上の前駆体3.3のグラフト化
3.5g(4.87mmol)の前駆体3.3を、共沸蒸留により脱水した4.87gのシリカ(Kieselgel 60−Merck;粒径画分=0.25〜0.40mm;比表面積=550m2g−1)と接触させることによりグラフト化を行った。アルゴン雰囲気下で24時間、50mLの蒸留トルエン中で機械的攪拌しながら反応を行った。
室温でろ過して改質ゲルを回収し、トルエン、エチルエーテルで洗浄し、次に真空下で乾燥した。
以下の特性を有する7.83gの改質シリカゲルSi2323USENTAMが得られた:。
窒素元素の元素分析:0.49mmol g−1(%N:6.86%)。]
[0088] 例4:材料Si2323ENTAMの調製
(求核置換を含むグラフト化)
本実施例4では以下の実施例5と6の両方のように、本発明の材料は、あらかじめシリカゲルでグラフト化したアミノ化前駆体を、−Cl官能基(シリカとクロロプロピルトリエトキシシラン化合物との反応により導入された)を有する化合物と反応させることにより調製された。以下の構造:



を有するこの改質シリカゲル(いわゆるSiCl)は、以下の方法に従って調製される:]
[0089] 共沸蒸留により脱水した60gのシリカ(Kieselgel 60−Merck;粒径画分=0.25〜0.40mm;比表面積=550m2g−1)と6g(25mmol)のクロロプロピルトリエトキシシランを、窒素雰囲気下で100mLのトルエン中で混合した。得られた混合物を溶媒で24時間還流して維持した。ろ過、ジクロロメタンによる洗浄、および乾燥後、材料をふるいにかけた。以下の性質を有する目的のSiClゲルがこうして得られた:]
[0090] IR(拡散反射、KBr、cm−1):3624 (vOH); 2980 (vCH); 2961 (vCH); 2936 (vCH); 2898 (vCH); 1630 (δOH); 1446 (δCH2); 1395 (δCH2); 1096 (vSiO); 793 (δOSiO)。
塩素元素の元素分析:0.3mmol g−1(%Cl:1.02%)。
比表面積(BET)=464m2g−1。
吸着された窒素の総量:0.61cm3g−1。
孔の平均径(BJH):55Å(分布20〜120Å)。]
[0091] 詳しくは本実施例4において、本明細書で上記した式の材料Si2323ENTAMを以下の反応スキームに従って調製した:]
[0092] さらに詳しくは、以下の方法を適用した:
化合物4.1の調製
15g(30mmol)のトリアセトアミド、5g(30mmol)のブロモ酢酸エチル、および10.5g(75mmol)の炭酸カリウムを含有する1リットルのアセトニトリルの還流を48時間維持することにより、モノエステル4.1が調製された。
ろ過し、溶媒を留去後、13.5gの所望の化合物4.1が白色の固体として単離された(収率=98%)。この化合物は以下の特性を有した:]
[0093] 1H NMR(300MHz, CDCl3): 1.14 (t, 3H, 3J = 6.0 Hz, OCH2CH3); 1.55 (m, 4H, CH2CH2CH2); 2.50 (s, 16H, CH2N); 2.93 (s, 6H, CH2CONH2); 3.14 (s, 2H, CH2COOEt); 4.02 (q, 2H, 3J = 6.0 Hz, OCH2CH3); 6.13 (s, 1H, CONH); 6.68 (s, 2H, CONH); 7.03 (s, 1H, CONH); 7.22 (s, 1H, CONH); 7.89 (s, 1H, CONH)。
13C NMR (75 MHz, CDCl3): 14.7 (OCH2CH3); 26.0 (CH2CH2CH2); 26.3 (CH2CH2CH2); 52.4−54.3 (CH2N); 56.1 (CH2N); 59.1 (CH2CONH2); 59.4 (CH2COOEt); 61.4 (OCH2CH3); 172.4 (COOEt); 176.3 (CONH2 ); 176.5 (CONH2); 176.95 (CONH2)。
質量スペクトル(MALDI−TOF)m/z:458.3[L+H]+。]
[0094] 前駆体4.2の調製
(1級アミンを有する大環状前駆体)
700mLの無水エタノールに溶解した13g(32.7mmol)の化合物4.1に、200当量のエチレンジアミン(380mL;6.5mol)を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下で24時間還流して維持した。溶媒と過剰のエチレンジアミンを留去後、残渣を真空下で乾燥した(T=50℃、P=4torr)。
目的の化合物4.2は、13.7gの白色の粉末(収率=89%)として単離され、以下の特性を有する:]
[0095] 1H NMR(300MHz, D2O): 1.61 (m, 4H, CH2CH2CH2); 2.49−2.61 (m, 18H, CH2N); 3.03 (m, 8H, CH2CO); 3.15 (t, 2H, 3J = 6.4 Hz, CONHCH2)。
13C NMR (75 MHz, D2O): 23.2 (CH2CH2CH2); 40.4−52.5 (CH2N); 57.8−58.7 (CH2CO); 174.7 (CO); 177.0 (CO); 177.7 (CO)。]
[0096] SiClゲル上の前駆体4.2のグラフト化(求核置換)
15g(32mmol)の化合物4.2を、600mLのアセトニトリルに溶解した65gの改質シリカSiClと10g(72mmol)の炭酸カリウムと接触させることによりグラフト化を行った。媒体を機械的攪拌しながら48時間還流して維持した。室温に戻し、ろ過、乾燥、およびふるいを行った後、以下の特性を有する70gのSi2323ENTAMが得られた:]
[0097] RPE(銅−金属ゲル、T=100K):g┴ = 2.07; gll= 2.23; all = 156x10−4 cm−1。
IR(拡散反射、KBr、cm−1):3733 (vOH); 3294 (vOH); 2943 (vCH); 2889 (vCH); 1669 (vCO); 1538 (δCNH); 1456 (vCN); 1087 (vSiO); 797 (δOSiO)。
窒素元素の元素分析:0.18mmol g−1(%N:2.22%)。
銅のX蛍光:0.18mmol g−1。
比表面積(BET):368m2g−1。
吸着された窒素の総量:0.57cm3 g−1。
孔の平均径(BJH):60Å(分布20〜120Å)。]
[0098] 例5:材料Si2323ENTAMMe2の調製
(求核置換を含むグラフト化)
本例では、本明細書で上記した式の材料Si2323ENTAMMe2を、以下の反応スキームに従って調製した:]
[0099] さらに詳しくは以下の方法を適用した:
化合物5.1の調製
前駆体5.1は、シクラムから2工程で調製された。
第1の相で、1リットルのクロロホルム中の40g(200.0mmol)のシクラムと16g(116mmol)の炭酸カリウムの溶液に、6.68g(40.0mmol)のブロモ酢酸エチルをゆっくり加えることにより、(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデク−1−イル)エタン酸エチルが得られた。室温で48時間攪拌して、反応混合物を維持した。セライトでろ過し、溶媒を留去後、残渣を石油エーテルに取った。過剰のシクラムをろ別し、ろ液を濃縮し、こうして(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデク−1−イル)エタン酸エチル(いわゆる化合物5.0)を、11.21gの淡黄色の油状物(収率=98%)として得て、これをさらに精製することなく使用した。]
[0100] 得られたモノエステル5.0の3個の2級アミンを、次に2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド(この塩素化試薬は、多量の4級生成物の生成を引き起こすそのブロモ化類似体より好ましい)で官能化した。このために、あらかじめ得られた11.21g(すなわち39.2mmol)の化合物5.0を100mLのアセトニトリルに溶解し、この溶液を、30℃にした900mLのアセトニトリル中の14.28g(117mmol)の2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドと35g(252mmol)の炭酸カリウムの溶液に滴下して加えた。反応媒体を攪拌して45℃で48時間維持した。セライトでろ過し、溶媒を留去後、化合物5.1を以下の特性を有する20.2gの淡黄色の固体(収率=95%)として得た:]
[0101] 1H NMR(500MHz, CDCl3): 1.21 (t, 3H, OCH2CH3); 1.57 (m, 4H, CH2CH2CH2); 2.50−2.63 (m, 16H, CH2N); 2.88 (s, 9H,NCH3); 3.04 (s, 3H, NCH3); 3.07 (s, 3H, NCH3); 3.10 (s, 3H, NCH3); 3.23−3.27 (m, 8H, CH2CONH2 and CH2CO2Et); 4.09 (q, 2H, OCH2CH3)。
13C NMR (125 MHz, CDCl3): 14.9 (OCH2CH3); 25.2 (CH2CH2CH2); 25.4 (CH2CH2CH2); 36.1−38.1 (NCH3); 51.1−52.5 (CH2N); 56.0 (CH2CO2Et); 57.8 (CH2CONH2); 58.1 (CH2CONH2); 58.4 (CH2CONH2); 60.8 (OCH2CH3); 171.3 (CO2Et); 171.5 (CONMe2); 171.6 (CONMe2); 172.0 (CONMe2)。
質量スペクトル(MALDI−TOF)m/z:541.8[L]+。
元素分析:C 57.93;H 9.70;N 17.93(例えば、C26H51N7O5(M=541.40)について計算されたデータは以下の通りである:C 57.65;H 9.49;N 18.10)。]
[0102] 前駆体5.2の調製
(1級アミンを有する大環状前駆体)
900mLのエタノール中の12.09g(22.33mmol)の化合物5.1と240mL(43mol)のエチレンジアミンの溶液を、48時間加熱還流した。
溶媒と過剰のエチレンジアミンを留去後、化合物5.2を以下の特性を有する11.50gの淡黄色の固体(収率:93%)として得た:]
[0103] 1H NMR(500MHz, CDCl3): 1.39 (m, 4H, CH2CH2CH2); 2.27−2.52 (m, 20H, CH2N); 2.59 (s, 9H,NCH3); 2.71 (s, 3H, NCH3); 2.76 (s, 3H, NCH3); 2.82 (s, 3H, NCH3); 2.96−3.01 (m, 8H, CH2CO); 7.66 (t, 1H, CONHCH2)。
13C NMR (125 MHz, CDCl3): 24.5 (CH2CH2CH2); 25.0 (CH2CH2CH2); 35.3−37.1 (NCH3); 41.7 (CH2N); 41.9 (CH2N); 50.6−52.0 (CH2N); 56.0 (CH2CO); 56.7 (CH2CO); 57.4 (CH2CO); 58.4 (CH2CO); 170.1 (CO); 170.4 (CO); 170.6 (CO); 172.2 (CO)。
質量スペクトル(MALDI−TOF)m/z:556.2[L+H]+。]
[0104] SiClゲルへの前駆体5.2のグラフト化(求核置換)
10.27g(18.5mmol)の化合物5.2を、400mLのアセトニトリルに溶解した60gの改質シリカSiClと6.9g(50mmol)の炭酸カリウムに接触させてグラフト化を行った。媒体を機械的攪拌しながら48時間還流して維持した。室温に戻し、ろ過、乾燥、およびふるいを行った後、以下の特性を有する65gの材料Si2323ENTAMMe2が得られた:
RPE(銅金属ゲル、T=100K): g┴ = 2.07; g// = 2.23; a// = 156x10−4 cm−1。
窒素元素の元素分析:0.18mmol g−1(%N:2.02%)。
銅のX蛍光:0.10mmol g−1。
比表面積(BET):356m2g−1。
吸着された窒素の総量:0.74cm3 g−1。
孔の平均径(BJH):83Å(分布30〜160Å)。]
[0105] 例6 材料Si2323CTAMMe2の調製
(求核置換を含むグラフト化)
本例では、本明細書で上記した式の材料Si2323CTAMMe2を、以下の反応スキームに従って調製した:]
[0106] 化合物6.2の調製
前駆体6.2の合成は、まずメチルエステル6.1(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−6−カルボン酸メチル)(この合成は、国際特許出願WO03/029228号に記載された)から始めた。500mLの還流アセトニトリルに溶解した20.53g(148.0mmol)の炭酸カリウムと5.00g(12.38mmol)の化合物6.1・4HClに、6.02g(12.38mmol)の2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドを一回で加え、次に混合物を攪拌しながら5日間還流する。セライトでろ過し溶媒を留去後、黄色の油状物が得られ、これをアルミナカラムのクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン、次にジクロロメタン/メタノール2:98v/v)により精製した。先頭画分は化合物6.2に対応し、これは真空下で溶媒を留去後、3.70gの無色の油状物(収率=62%)として単離され、得られた化合物は以下の特性を有した:]
[0107] 1H NMR(500MHz, CDCl3): 1.61 (m, 2H); 2.52−3.05 (m, 17H); 2.83 (s, 6H); 2.87 (s, 6H); 2.95 (s, 6H); 3.03 (s, 6H); 3.18 (d, 2H, 3J = 14.0 Hz); 3.29 (d, 2H, 3J = 14.0 Hz); 3.31 (s, 4H); 3.60 (s, 3H)。
13C NMR (125 MHz, CDCl3): 25.2 (CH2CH2CH2); 36.0 (NCH3); 36.1 (NCH3); 37.5 (NCH3); 37.6 (NCH3); 45.2 (CHCO2Me); 51.4 (CH2N); 51.6 (CH2N); 52.2 (CH2N); 52.3 (CO2CH3); 55.9 (CH2N); 58.3 (CH2CO); 58.4 (CH2CO); 171.1 (CONMe2); 171.2 (CONMe2); 176.0 (CO2Me)。
質量スペクトル(MALDI−TOF)m/z:599.2[M]+。]
[0108] 前駆体6.3の調製
(1級アミンを有する大環状前駆体)
1リットルのエタノールに溶解した、あらかじめ調製した28.0g(46.76mmol)のモノエステル6.2と562.0g(9.36mol)のエチレンジアミンとを含有する溶液を、60℃で48時間加熱する。溶媒と過剰のエチレンジアミンを留去後、化合物6.3は定量的に単離され、さらに精製することなく次の工程で使用される。]
[0109] SiClゲルへの前駆体6.3のグラフト化(求核置換)
400mLのアセトニトリル中の19.00g(30.0mmol)の化合物6.3、12.40g(90.0mmol)の炭酸カリウム、および60.00gの改質シリカゲルSiClの混合物を72時間加熱還流した。ろ過し、水、エタノールおよびクロロホルムで洗浄し、次に乾燥後、以下の特性を有する64.1gの材料Si2323CTAMMe2が得られた:
窒素元素の元素分析:0.10mmol g−1(%N:1.12%)。
銅のX蛍光:0.11mmol g−1。]
[0110] 例7:材料Si2323TAMの調製
(接触ヒドロシリル化を含むグラフト化)
本実施例と後述の実施例8および9では、本発明の材料は、ビニル末端基を有する前駆体を、トリエトキシシランで処理したシリカゲルと反応させることにより調製した。以後「SiH」と記載するこのシリカゲルは、Chu et al., Anal. Chem., Vol. 65, pp. 808−816 (1993) に記載された方法に従って調製した。さらに詳しくは、共沸蒸留により脱水した5gのシリカ(Kieselgel 60−Merck;粒径画分=0.25〜0.40mm;比表面積=550m2g−1)を、1.6mLの35%塩酸をまた含有する100mLのジオキサンに懸濁した。混合物を機械的に攪拌し、75℃に加熱後、45mLのジオキサンで希釈した3.7g(22.5mmol)のトリエトキシシランを15分かけて導入した。1時間加熱を続け、次に混合物をろ過しゲルを乾燥した。得られた改質ゲルSiHは以下の特性を有する:
IR(拡散反射、KBr、cm−1):2250(VSiH)。]
[0111] 本実施例7では、以下の式:



の前駆体7.2をSiHゲル上にグラフト化した。
この化合物7.2は、以下の方法に従って前駆体7.1から出発して得られた。]
[0112] 前駆体7.1の調製
窒素雰囲気下で、10.6(133mmol)の塩化クロロアセチルと30g(266mmol)の炭酸カリウムを500mLのジクロロメタン中で混合した。混合物を0℃に冷却した。
次に50mLのジクロロメタンに溶解した20mL(133mmol)のアリルアミンを加えた。添加は、等圧滴下ロートを使用して15分かけて行った。室温で18時間攪拌を維持し、次に混合物をセライト上でろ過した。溶媒を留去後、化合物7.1を、以下の特性を有する16.3gの淡黄色の油状物(収率=92%)として得た:]
[0113] 1H NMR(200MHz, CDCl3): 3.87 (t, 2H, 3J = 5.7 Hz, CONHCH2); 4.03 (s, 2H, CH2CI); 5.09 (d, 1H, 3Jcis = 12 Hz, CH=CH2); 5.13 (d, 1H, 3Jtrans = 17 Hz, CH=CH2); 5.80 (ddt, 1H, 3J = 5.7 Hz, 3Jcis = 12 Hz, 3Jtrans = 17 Hz, CH=CH2); 6.87 (broad s, 1H, CONH) 。
13C NMR (50 MHz, CDCl3): 42.4 (NHCH2); 42.8 (ClCH2); 117.2 (CH=CH2); 133.3 (CH=CH2); 166.6 (CO)。]
[0114] 前駆体7.2の調製
実施例1で調製した化合物1.1(すなわち、三置換した化合物TE3AM・HI)から、ビニル前駆体7.2を合成した。さらに詳しくは10g(20mmol)の化合物1.1を100mLの水に溶解し、溶液を沸騰させた。次に沸騰する媒体に、2.67g(20mmol)の化合物7.1を一回で加え、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(40%(質量)水溶液)を加えて、媒体のpHを12以上に維持した。これらの条件下で加熱を2時間続け、次に真空下で溶媒を留去し、油状の黄色残渣が得られた。この残渣に100mLのアセトンと20mLのエタノールを添加すると、固体が沈殿し、これを単離し、100mLのアセトンと100mLのエーテルで洗浄し、次に真空下で乾燥して、以下の特性を有する5.5gの目的の化合物7.2が得られた(収率=59%):]
[0115] 1H NMR(200MHz, D2O + DCI, pD < 1): 2.10 (m, 4H, CH2CH2CH2); 3.38 (m, 8H, CH2N); 3.64−3.71 (m, 10H, CH2N + CONHCH2); 4.02 (broad s, 8H, CH2CO); 5.00 (m, 1H, CH=CH2); 5.03 (m, 1H, CH=CH2); 5.64 (m, 1 H, CH=CH2)。
13C NMR (50 MHz, D2O + DCI, pD < 1): 18.58 (CH2CH2CH2); 42.34 (CONHCH2); 46.38 (CH2N); 50.17 (CH2N); 56.80 (CH2CONH2); 57.08 (CH2CONH); 116.75 (CH=CH2); 133.38 (CH=CH2); 164.92 (CONH); 167.35 (CONH2)。
IR (KBr, cm−1): 3392 (vNH); 2925 (vCH); 2879 (vCH); 2827 (vCH); 1679 (vCO); 1597 (vC=C); 1384 (vCN); 1159 (vCN); 1060 (δCH allyl); 623 (ωNH)。
質量スペクトル(MALDI−TOF)m/z:468.9[L+H]+; 490.7[L+Na]+;506.2[L+K]+。]
[0116] SiHシリカゲル上の前駆体7.2のグラフト化
1gのSiHゲルと1mmolの化合物7.2を、2%モルのヒドロシリル化触媒(40% Ptヘキサクロロ白金酸水和物)を含有する50mLのエタノール中に、機械攪拌して混合した。反応媒体を80℃で48時間加熱した。次にろ過し、エタノール、水、次にアセトンで洗浄して材料を回収し、真空下で乾燥した。これは以下の特性を有した:
IR(拡散反射、KBr、cm−1):3300 (vNH); 2977 (vCH); 2820 (vCH); 1665 (vCO); 1092 (vSiO); 792 (δOSiO)。
窒素元素の元素分析:0.11mmol g−1(%N:1.28%)。]
[0117] コメント:
本明細書に記載のグラフト化モードは純粋に一例であり、広範囲に修飾することができる。例えばエタノール以外の溶媒(特に2−プロパノールまたはアセトニトリル)が使用でき、および/または別の水和物シリル化触媒(例えばWilkinson触媒)が使用できる。]
[0118] さらにトリエトキシシランの添加順序を逆転させて、非改質シリカゲル上で前駆体のin situグラフト化を行ってもよい。この場合、まずビニルまたはスチレン前駆体を、(40% Pt)ヘキサンクロロ白金酸水和物またはWilkinson試薬を用いて接触経路を介してシリル化し、次に得られた試薬を非修飾脱水シリカゲルのシラノール官能基でin situで縮合する。
これらのコメントは、後述の実施例8および9で記載されるグラフト化に有効である。]
[0119] 例8:材料Si2323TAMMe2の調製
(接触ヒドロシリル化を含むグラフト化)
本例では、以下の式:



の前駆体8.2を上記SiHゲル上にグラフト化した。
この化合物8.2は、以下の方法に従って前駆体8.1(これ自体は、前の実施例7の前駆体7.1から得られる)から出発して得られた。]
[0120] 前駆体7.1からの前駆体8.1の調製
5g(25mmol)のシクラム(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン)、実施例7で調製された830mg(6.25mmol)の化合物7.1、および2.6g(18.75mmol)の炭酸カリウムを、100mLのテトラヒドロフラン中で混合し、次に混合物を16時間還流した。真空下で溶媒を留去後、残渣を得て、これを3×100mLのペンタンで抽出した。得られた有機相をろ過し、溶媒を留去して、生成物8.1を以下の特性を有する1.65gの白色の油状物(収率=88%)として得た:]
[0121] 1H NMR(300MHz, CDCl3): 1.65 (m, 4H, CH2CH2CH2); 2.50−2.70 (m, 16 H, CH2N); 3.02 (s, 2H, CH2CO); 3.84 (m, 2H, CONHCH2); 5.04 (d, 1H, 3Jcis = 10.0 Hz, CH=CH2); 5.13 (d, 1H, 3Jtrans = 17.0 Hz, CH=CH2); 5.80 (ddt, 1H, 3J = 5.5 Hz, 3Jcis = 10.0 Hz, 3Jtrans = 17.0 Hz; CH=CH2); 8.63 (broad s, 1H, CONH)。
13C NMR (75 MHz, CDCl3): 26.88 (CH2CH2CH2); 29.08 (CH2CH2CH2); 41.93 (CONHCH2); 47.66 (CH2N); 48.19 (CH2N); 48.57 (CH2N); 49.11 (CH2N); 49.32 (CH2N); 50.87 (CH2N); 54.13 (CH2N); 56.72 (CH2N); 58.53 (CH2N); 116.13 (CH=CH2); 135.56 (CH=CH2); 171.98 (CO)。
質量スペクトル(MALDI−TOF)m/z:(MALDI−TOF) m/z: 298.1 [L+H]+。]
[0122] 前駆体8.2の調製
大環状前駆体8.1の三官能化により化合物8.2を得た。このために、2.7g(9.09mmol)の化合物8.1を、9g(75mmol)の炭酸カリウムの存在下で、350mLの還流アセトニトリル中で、3.3g(27.3mmol)の2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドと反応させた。48時間の反応後、真空下で溶媒を留去し、残渣を200mLのクロロホルムで抽出した。溶媒を除去後、油状物を得て、これを200mLのアセトンで希釈した。溶媒を留去後、以下の特性を有する3.0gの目的の化合物8.2(収率=60%)が得られた:]
[0123] 1H NMR(500MHz, CDCl3): 1.79 (m, 4H, CH2CH2CH2); 2.74−2.82 (m, 16H, CH2N); 3.07−3.32 (m, 18H,NCH3); 3.45 (m, 8H, CH2CO); 4.04 (m, 2H, CONHCH2); 5.27 (d, 1H, 3Jcis = 10.0 Hz, CH=CH2); 5.33 (d, 1H, 3Jtrans = 16.2 Hz, CH=CH2); 6.00 (m, 1H, CH=CH2); 8.19 (s, 1H, CONH)。
13C NMR (125 MHz, CDCl3): 25.34 (CH2CH2CH2); 25.91 (CH2CH2CH2); 35.67 (CONMe); 35.82 (CONMe); 36.03 (CONMe); 37.02 (CONMe); 37.32 (CONMe); 37.50 (CONMe); 42.03 (CONHCH2); 50.91 (CH2N); 51.37 (CH2N); 51.87 (CH2N); 52.08 (CH2N); 52.50 (CH2N); 52.63 (CH2N); 53.10 (CH2N); 53.40 (CH2N); 55.80 (CH2N); 57.19 (CH2N); 57.90 (CH2N); 116.60 (CH=CH2); 135.08 (CH=CH2); 170.52 (CONMe2); 170.85 (CONMe2); 171.10 (CONMe2); 172.27 (CONH)。
IR(拡散反射、KBr、cm−1): 3434 (vNH); 2941 (vCH); 2797 (vCH); 1643 (vCO); 1412 (vCN); 1119 (vCN)。
質量スペクトル(MALDI−TOF) m/z: 553.3 [L + H]+; 575.0 [L + Na]+。
元素分析:C 57.93; H 9.62; N 19.67 (for information, the values calculated for C27H52N8O4 (M = 552.75) are C 58.67; H 9.48; N 20.27)。]
[0124] シリカゲルSiHへの前駆体8.2のグラフト化
1gのSiHゲルと1mmolの化合物8.2を、2%モルのヒドロシリル化触媒(40% Ptヘキサクロロ白金酸水和物)を含有する50mLのエタノール中に、機械攪拌して混合した。反応媒体を80℃で48時間加熱した。次にろ過し、エタノール、水、次にアセトンで洗浄して材料を回収し、真空下で乾燥した。得られる材料Si2323TAMMe2は以下の特性を有した:
窒素元素の元素分析:0.08mmol g−1(%N:0.89%)。]
[0125] 例9:材料Si2323TAMビニルの調製
(接触ヒドロシリル化を含むグラフト化)
本例では、以下の式:



の前駆体9.2を上記SiHゲル上にグラフト化した。
この化合物9.2は、以下の方法に従って前の実施例7の前駆体7.1から出発して得られた。]
[0126] 前駆体7.1からの前駆体9.2の調製
80℃に加熱し攪拌している50mLの水に溶解した5g(25mmol)のシクラム(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン)の溶液に、16.6g(125mmol)の実施例7の化合物7.1を一回で加えた。KOH錠剤を加えて媒体のpH値を12より高く維持しながら、反応媒体を80℃で15時間放置した。次に加熱せずに、媒体を30分以上攪拌した。生成した化合物9.2を3×50mLのクロロホルムで抽出して、反応媒体から抽出した。画分を集め、有機相を乾燥し、真空下で溶媒を留去し、次に得られた黄色の残渣をアセトンから再結晶化し、こうして化合物9.2は、以下の特性を有する4.07gの透明の針状物(収率=28%)として得られた:]
[0127] 1H NMR(500MHz, CDCl3): 1.64 (p, 4H, 3J = 6.7 Hz, CH2CH2CH2); 2.52 (t, 8H, 3J = 6.7 Hz, CH2CH2CH2N); 2.58 (s, 8H, CH2CH2N); 3.01 (s, 8H, CH2CO); 3.83 (t, 8H, 3J = 6.0 Hz, CONHCH2); 5.11 (d, 4H, 3Jcis = 10.0 Hz, CH=CH2 ); 5.17 (d, 4H, 3Jtrans = 17.0 Hz, CH=CH2); 5.80 (ddt, 4H, 3J = 6.0 Hz, 3Jcis = 10.0 Hz, 3Jtrans = 17.0 Hz, CH=CH2); 7.10 (t, 4H, 3J = 6.0 Hz, CONH)。
13C NMR (125 MHz, CDCl3): 25.46 (CH2CH2CH2); 42.05 (CONHCH2); 51.21 (CH2N); 52.63 (CH2N); 58.61 (CH2CO); 117.59 (CH=CH2); 134.48 (CH=CH2); 170.87 (CONH)。
IR (KBr, cm−1): 3283 (vNH); 3062 (vCH allyl); 2980 (vCH); 2951 (vCH); 2925 (vCH); 2830 (vCH); 1649 (vCO); 1551 (vC=C); 1260 (vCN); 996 (δCH allyl); 929 (δCH allyl); 709 (ωNH)。
質量スペクトル(MALDI−TOF) m/z: 589.3 [L + H]+; 610.8 [L + Na ]+; 626.7 [L + K]+。]
[0128] シリカゲルSiH上の前駆体9.2の調製
1gのSiHゲルと1mmolの化合物9.2を、2%モルのヒドロシリル化触媒(40% Ptヘキサクロロ白金酸水和物)を含有する50mLのエタノール中に、機械攪拌して混合した。反応媒体を80℃で48時間加熱した。次にろ過し、エタノール、水、次にアセトンで洗浄し、真空下で乾燥して材料を回収した。得られた材料Si2323TAMビニルは以下の特性を有した:
IR (拡散反射,KBr, cm−1): 3733 (vSiOH); 3700−3200 (vOH + vNH); 3080 (vCH allyl); 2982 (vCH); 2938 (vCH); 2891 (vCH); 1656 (vCO); 1534 (δCNH); 1090 (vSiO); 803 (δOSiO)。
窒素元素の元素分析:0.21mmol g−1(%N:2.31%)。]
[0129] 例10:材料Si2323TAMの適用例
鉛に汚染された飲料水型の水の精製
(クロマトグラフィーカラム)
本例では、Pb2+カチオンで人工的に汚染させた飲料水中に存在する異なるカチオンに対する、実施例1で調製した材料Si2323TAMの抽出性能を示す。]
[0130] 試験に使用される汚染された水は、以下の物理化学的特性を有する飲料水である:
温度 17.6℃
25℃でのpH 7.7
アルカリ価0°F
完全アルカリ価 23°F(すなわち、4.6meq/L)
ヒドロメトリックタイター28.0°F(すなわち、134meq/L)
鉛濃度710μg/L
銅濃度160μg/L
亜鉛濃度550μg/L
マグネシウム濃度3.9mg/L
カルシウム濃度95.0mg/L
ストロンチウム濃度 136μg/L
バリウム濃度17μg/L]
[0131] 水に、窒化鉛を飽和するまで溶解して汚染させ、次にろ過し、こうして初期Pb2+カチオン含量710μg/Lが得られた。
こうして汚染させた水を、流速が1L/hのペリスタポンプを使用して、2.5cmに等しい直径を有するクロマトグラフィーカラム中に含有された50gの抽出材料Si2323TAMを含有するベッド中に浸透させた。
カラム出口から、10mLの試料を定期的に採取した。各試料を純粋な硝酸で2%に酸性化し、次に誘導結合プラズマを用いる原子発光分光法(ICP−AES)により分析した。]
[0132] 異なる元素Pb、Cu、Zn、Mg、Ca、Sr、Baの濃度変化を以下の表1にすべて示したが、ここで:
Vは、採取した試料の蓄積容量(リットル)を示し、
[Pb]、[Cu]、[Zn]、[Mg]、[Ca]、[Sr]、および[Ba]は各元素の濃度を示す(μg/L、ただしMgとCaについては、mg/Lで表した)。



観察された結果は、アルカリ土類金属に結合するが、鉛、銅および亜鉛を効率的に保持する、材料の優れた選択性を示す。]
[0133] 例11:材料Si2323ENTAMの適用例
鉛に汚染された飲料水型の水の精製(ろ過カートリッジ)
本例では、実施例4で調製した材料Si2323ENTAMを、流しの出口の栓に取り付けた、例えばJP02301469号特許に記載されたタイプのろ過カートリッジで使用した。
さらに詳しくは円筒形のカートリッジ(外径:6cm;内径:5.5cm、長さ:9cm)は、以下を含む:
約0.1m2の表面積を示す中空繊維の束からなる中央部分(直径:2.5cm)、
110mLの容量を有する、この中央部分周りの中空の環状部分。この環状部分は、抽出材料を受けて、本例では材料Si2323ENTAMで満たされる。]
[0134] カートリッジには、環状部分の基部に処理すべき水のための側面の入り口と、中央部分の中空繊維の束の基部に処理すべき水の出口が設けられている。さらに環状部分の高い部分と、中央部分の高い部分は流体連結の状態にある。すなわち蛇口が開かれると水がカートリッジに浸透し、環状部分を満たし(基部からの水の流入が環状部分の液体の分布を改善し、材料のベッドに掘られた優先通路に流れる確率を低下させる)、次に環状部分の高い部分に到達した水は、中央部分に入り、中空繊維の束の中を流れてカートリッジの出口に到達する。
本例ではいくつかの試験を行い、飲料水供給ネットワークの片側に連結し反対側が上記カートリッジに取り付けた蛇口に連結した容量4.4リットルの鉛管中で飲料水を30分間停滞させて、鉛に汚染された水を得た。]
[0135] 実施した各試験で、まず管に30リットルの水を流して管の中を完全にパージした。次に蛇口を30分間閉じて、水を管中に停滞させた。カートリッジの上流と下流に250mLのパージを行った後、管から2リットルの水を採取した。実施した試験でカートリッジから出る水の流速は、110リットル/時間である。
各試験について、採取した2リットルの試料を攪拌して均一にし、次に10mLの試料を採取し、これを超純粋硝酸で2%に酸性化し、次に誘導結合プラズマを用いる原子発光分光法(ICP−AES)により分析した。
各場合に、ろ過カートリッジ処理で出てくる水で測定された鉛の含量を、最初のパージ中のカートリッジからの最初のジェット流の水の鉛の含量と比較した。]
[0136] 結果を以下の表2に示し、ここで[Pb]は最初の鉛の濃度、すなわち最初のジェットの水で測定された濃度を示し、[Pb]fは、最後の鉛の濃度、すなわちカートリッジの出口で測定された濃度を示す。これらの濃度の値をμg/Lで示す。]
[0137] 上記結果は、出口での鉛含量が非常に低く、絶えず10μg/L未満であり、Pb2+カチオンの保持について材料Si2323ENTAMの顕著な効率を示す。]
权利要求:

請求項1
水媒体中で金属カチオンを抽出するために適応させた材料であって少なくとも4個の窒素原子を含む環を有するポリアザシクロアルカン化合物(PAC)が固体支持体(S)上に共有結合した固体支持体(S)を含み、そして該環の該窒素原子のそれぞれが、配位基で置換されており、該配位基のそれぞれが、該支持体(S)に結合しているポリアザシクロアルカン化合物(PAC)の該環の該窒素原子によって、互いに独立して有されており、配位基Rcが、以下の一般式:−(CH2)n−C(=O)−NR1R2(式中、n=1、2または3であり、R1およびR2は、同一であるか、または異なっており、R1およびR2のそれぞれは、水素原子、または1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基、または1個〜4個の炭素原子を含むアルケニル基またはアリール基を表わす。)に適合しているか、または、配位かつ結合基RcLが、以下の一般式:−(CH2)p−C(=O)−NR3−(A)−[支持体]、(式中、p=1、2または3であり、R3は、水素原子、または1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基、または1個〜4個の炭素原子を含むアルケニル基またはアリール基を表わし、−(A)−は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の炭化水素鎖を表わし、任意選択的に全てまたは部分的に環状であり、そして場合によって1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、該固体支持体(S)に少なくとも1つの共有結合によって結合している。)に適合している、材料。
請求項2
該固体支持体(S)が、鉱物酸化物、有利にシリカゲルを含む、請求項1に記載の材料。
請求項3
該ポリアザシクロアルカン化合物(PAC)の該環の該窒素原子によって有される該配位基が、請求項1で規定された式:−(CH2)p−C(=O)−NR3−(A)−[支持体]の、配位かつ結合基RcLを最大限で1つ含む、請求項1または2に記載の材料。
請求項4
以下の式(I):(式中、a、bおよびcは、3つの整数であり、同一であるか異なるかのいずれかであり、a、bおよびcのそれぞれは、2または3に等しく、d1およびd2は、2つの整数であり、同一であるか異なるかのいずれかであり、0、1または2に等しく、該合計(d1+d2)は、値1または2を有するものと理解され、該4つのRc基のそれぞれは、同一であるか異なるかのいずれかであり、請求項1で規定された一般式:−(CH2)n−C(=O)−NR1R2に適合する基を表わし、−(B)−は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の炭化水素鎖であり、任意選択的にすべてまたは部分的に環状であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、該固体支持体(S)に少なくとも1つの共有結合で結合している。)に適合している、該固体支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物(PAC)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の材料。
請求項5
a=c=2である、請求項4に記載の材料。
請求項6
b=3かつ(d1+d2)=2である、請求項4または5に記載の材料。
請求項7
以下の式(Ia):(式中、a、b、c、d1、d2、およびRc基は、請求項4で規定されたようであり、−Y−は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の二価の炭化水素基であり、任意選択的にすべてまたは部分的に環状であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、jは、0、1、2または3に等しい整数であり、そして、該環状種と該固体支持体(S)との間の結合の数を表わすkは、1、2または3に等しい整数である。)に適合している、該固体支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物を含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載の材料。
請求項8
固体支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物が、以下の式:(式中、kは、請求項7で規定されたようである。)の1つに適合している、請求項7に記載の材料。
請求項9
以下の式(II):(式中、a、b、cおよびdは、3つの整数であり、同じであるか異なっているかのいずれかであり、a、b、cおよびdのそれぞれは、2または3に等しく、該3つのRc基のそれぞれは、同じであるか異なっているかのいずれかであり、請求項1に規定された一般式:−(CH2)n−C(=O)−NR1R2に適合した基を表わし、そして、p、R3および−(A)−は、請求項1で規定されたようである。)に適合した、該固体支持体(S)上で固定化されたポリアザシクロアルカン化合物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の材料、
請求項10
a=c=2である、請求項9に記載の材料。
請求項11
b=d=3である、請求項9または10に記載の材料。
請求項12
該固体支持体(S)上に固定化された該ポリアザシクロアルカン化合物(PAC)が、以下の式(IIa):(式中、a、b、c、d、pならびに該基RcおよびR3は、請求項9で規定されたようであり、zは、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の二価の炭化水素基であり、任意選択的にすべてまたは部分的に環状であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、j’は、0、1、2または3に等しい整数であり、該環状種と該固体支持体(S)との間の結合の数を表わすk’は、1、2または3に等しい整数である。)に適合している、請求項9〜11のいずれか一項に記載の材料。
請求項13
該固体支持体(S)上に固定化された該ポリアザシクロアルカン化合物(PAC)が、以下の式:(式中、k’は、請求項12において規定されたようである。)の1つに適合している、請求項12に記載の材料。
請求項14
以下のステップ:(E1)鉱物酸化物に基づく固体支持体が、化学的に共有結合をするために、相補的官能基Fc官能基と反応できるFs官能基を、該表面に含んで提供される工程と、(E2)該タイプのFc官能基を有する官能化されたポリアザシクロアルカン化合物(PACf)が、該ポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)の該環の該窒素原子のそれぞれの上に配位官能基を結合させることによって、少なくとも4個の窒素原子を含む環を有するポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)から調製される工程と、ここで該環の該窒素原子に結合した該配位官能基のそれぞれは、ほかの官能基と独立しており、配位基Rcは、以下の一般式:−(CH2)n−C(=O)−NR1R2(式中、n、R1およびR2は、請求項1で規定されたようである。)に適合しているか、または、該配位かつ反応基Rcrは、以下の一般式:−(CH2)p−C(=O)−NR3−(P)−G1(式中、pおよびR3は、請求項1で規定されたようであり、−(P)−は、化学的結合を表わすか、または飽和もしくは不飽和の、直鎖もしくは分枝の炭化水素鎖を表わし、任意選択的にすべてまたは部分的に環状であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、該固体支持体(S)に少なくとも1つの共有結合を通して結合しており、そして、−G1−は、該ポリアザシクロアルカン(PACf)の間で共有結合を生成するために、ステップ(E1)で提供された該固体支持体によって有される該Fs官能基と反応することができるFc官能基を有する官能基である。)に適合しており、該環の該窒素原子に結合した該官能基のいずれもがRcr基でない場合、次に、該ポリアザシクロアルカン(PACf)は、一般式:−(Q)−G2、(式中、−(Q)−は、化学的結合を表わすか、または飽和もしくは不飽和の、直鎖もしくは分枝の、炭化水素鎖を表わし、任意選択的にすべてまたは部分的に環状であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含み、該固体支持体(S)に少なくとも1つの共有結合を通して結合しており、−G2は、該ポリアザシクロアルカン(PACf)の間で共有結合を生成させるために、ステップ(E1)で提供された該固体支持体によって有される該Fs官能基と反応できるFc官能基を有する官能基である。)の反応基Rrによって、該環の該炭素原子の1つの上でさらに官能化されると理解され、そして、(E3)ステップ(E2)で得られた該官能化されたポリアザシクロアルカン(PACf)が、ステップ(E1)で提供された該固体支持体と接触させられる工程と、を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の材料を調製するための方法。
請求項15
ステップ(E1)で提供された該固体支持体によって有される該Fs官能基およびステップ(E2)で得られた該官能化されたポリアザシクロアルカン(PACf)によって有される該相補的官能基Fcが、一対のFs/Fc官能基:Fs=−OH/Fc=−Si(OR)3(式中、Rは、1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基である。)、Fs=−X/Fc=−NH2(式中、Xは、ハロゲン原子である。)、Fs=−Si−H/Fc=−CH2−CH=CH2、Fs=−Si−H/Fc=−Ph−CH=CH2(式中、Phは、置換されているか、または置換されていない芳香族環を表わす。)から選択される、請求項14に記載の方法。
請求項16
ステップ(E2)において、請求項12で規定された配位基Rcが、該ポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)の該環の該窒素原子のそれぞれに結合しており、そして、該ポリアザシクロアルカン(PACf)が、請求項14に規定された式−(Q)−G2の反応基Rrを用いて該環の該炭素原子の1つ上でさらに官能化されている、請求項14または15に記載の方法。
請求項17
ステップ(E2)で調製された該ポリアザシクロアルカン化合物(PACf)が、以下の一般式(If):(式中、a、b、c、d1、d2およびRcは、請求項4で規定されたようであり、そしてRrは、請求項12で規定された一般式:−(Q)−G2の反応基である。)に適合している、請求項4〜8のいずれか一項に記載の材料を調製するための、請求項16に記載の方法。
請求項18
ステップ(E1)で提供された該固体支持体が、表面にFs官能基としての−OH官能基を含むシリカゲルであり、そして、ステップ(E2)で調製された該化合物(PACf)が、Fc官能基としてトリアルコキシシラン官能基−Si(OR)3を有する化合物であり、以下の一般式(If−a1):(式中、a、b、c、d1、d2、Rc、−Y−およびjは、請求項6に規定されたようであり、そして、Rは、1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基である。)に適合している、請求項7に記載の材料を調製するための請求項17に記載の方法。
請求項19
ステップ(E2)で調製された該化合物(PACf)が、以下の式(If−a1.1):(式中、a、b、c、d1、d2、Rc、jおよびRは、請求項16において規定されたようであり、そして、qは、1、2、3または4の値を有する整数であり、該化合物(If−a1.1)が、以下のステップを続けて適用することによって、ステップ(E2)で得られる。)に適合している、請求項18に記載の方法。
請求項20
ステップ(E1)で提供された該固体支持体が、表面にFs官能基としての官能基X(式中、Xは、ハロゲン原子であり、この改質されたシリカゲルは、式:X−(CH2)j−Si(OR)3(式中、jは、請求項7で規定されたようであり、そしてRは、1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基である。)のトリアルコキシシランをグラフト化することによって得られる。)を含む改質されたシリカゲルであり、そして、ステップ(E2)で調製された該化合物(PACf)は、Fc官能基として−NH2官能基を有し、以下の一般式(If−a2):(式中、a、b、c、d1、d2、およびRcは、請求項7に規定されたようであり、そして、−Y1−は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の二価の炭化水素基であり、任意選択的にすべてまたは部分的に環状であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含む。)に適合している、請求項7に記載の材料を調製するための請求項17に記載の方法。
請求項21
ステップ(E2)で調製された該化合物(PACf)が、以下の式(If−a2.1):(式中、a、b、c、d1、d2およびRcは、請求項18で規定されたようであり、そして、rは、1、2、3または4の値を有する整数であり、該化合物(If−a2.1)は、以下のステップ(式中、Alkは、1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基である。)を続けて適用することによって、ステップ(E2)で得られる。)に適合している、請求項20に記載の方法。
請求項22
ステップ(E2)において、反応性配位基Rcrが、該ポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)の該環の該窒素原子の1つに結合しており、そして、その前にまたはその後に、配位基Rcが、該ポリアザシクロアルカン化合物(PAC0)の該環の該ほかの窒素原子のそれぞれ上に、請求項14で規定されたように結合している、請求項14または15に記載の方法。
請求項23
ステップ(E2)で調製された該ポリアザシクロアルカン化合物(PACf)が、以下の一般式(IIf):(式中、a、b、c、dおよびRcは、請求項4で規定されたようであり、そして、Rcrは、請求項14で規定された一般式:−(CH2)p−C(=O)−NR3−(P)−G1に適合した、配位かつ反応基である。)に適合している、請求項9〜13のいずれか一項に記載の材料を調製するための、請求項22に記載の方法。
請求項24
ステップ(E1)で提供された該固体支持体が、表面にFs官能基としての−OH官能基を含むシリカゲルであり、そして、ステップ(E2)で調製された該化合物(PACf)が、Fc官能基として、トリアルコキシシラン官能基−Si(OR)3を有する化合物であり、以下の一般式(IIf−a1):(式中、a、b、c、d、p、Rc、R3、zおよびj’は、請求項12において規定されたようであり、そして、Rは、1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基である。)に適合している、請求項12に記載の材料を調製するための、請求項23に記載の方法。
請求項25
ステップ(E2)において、式(lIf−a1)の該化合物(PACf)の該調製が、以下の反応スキーム:(式中、Xは、ハロゲン原子である。)または、(式中、p’=1、2または3である。)のいずれか1つを適用する、請求項22に記載の方法。
請求項26
ステップ(E1)で提供された該固体支持体が、表面にFs官能基としてのX(式中、Xは、ハロゲン原子である。)官能基を含む改質されたシリカゲルであり、この改質されたシリカゲルは、式X−(CH2)j’−Si(OR)3(式中、j’は、請求項12に規定されたようであり、そしてRは、1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基である。)のトリアルコキシシランをグラフト化することによって得られ、そして、ステップ(E2)で調製された該化合物(PACf)は、Fc官能基として−NH2官能基を有する化合物であり、以下の一般式(IIf−a2):(式中、a、b、c、d、p、RcおよびR3は、請求項12で規定されたようであり、そして、z’は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の、二価の炭化水素基であり、任意選択的にすべてまたは部分的に環状であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含む。)に適合している、請求項12に記載の材料を調製するための、請求項22に記載の方法。
請求項27
ステップ(E2)において、式(IIf−a2)の該化合物(PACf)の該調製が、以下のステップ:(式中、Alkは、1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基である。)を続けて適用する、請求項26に記載の方法。
請求項28
ステップ(E1)で提供された該固体支持体が、表面に−Si−H官能基を含む改質されたシリカゲルであり、この改質されたシリカゲルが、式:H−Si(OR)3(式中、Rは、1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基である。)のトリアルコキシシランをグラフト化することによって得られ、そして、ステップ(E2)で調製された該化合物(PACf)が、Fc官能基として−CH=CH2官能基を有する化合物であり、以下の一般式(IIf−a3):(式中、a、b、c、d、p、Rc、およびR3は、請求項12に規定されたようであり、そして−z’−は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝の、二価の炭化水素基であり、任意選択的にすべてまたは部分的に環状であり、そして任意選択的に1種または2種以上のヘテロ原子を鎖中に含む。)に適合している、請求項12に記載の材料を調製するための、請求項22に記載の方法。
請求項29
液体媒体、とりわけ水媒体中に溶解された、金属イオン、とりわけPb2+、Cd2+、Cu2+、Zn2+、Ni2+イオンを捕集するための請求項1〜13のいずれか一項に記載の材料の使用。
請求項30
該媒体が、請求項1〜13に規定された材料と接触させられる、金属カチオンで汚染された液体媒体を精製するための方法。
請求項31
該精製処理に曝される該液体媒体が、Pb2+カチオンで当初汚染されている、請求項30に記載の方法。
請求項32
該精製処理に曝される該液体媒体が、飲料水の水流である、請求項30または31に記載の方法。
請求項33
該精製処理に曝される該液体媒体が、工業液体排出物または排水である。請求項30または31に記載の方法。
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